香港の民主化抗議デモとは？～経済への影響と攻略アドバイス～

なぜ香港で抗議デモが起きているのか

（提供）Getty Images

キーワードは”行政長官”と”選挙制度”

香港は1997年に英国から返還されて以来、中国の一部でありながら外交と国防に関するもの以外は高度な自治が認められた特別行政区です。

そのため香港には行政長官と呼ばれる政府トップがいるのですが、これを選ぶ行政長官選挙をめぐって中国側と対立して現在の民主化デモ活動へと発展しました。

香港の選挙制度が変わる？

これまで行政長官は委員会による指名制で選出されていましたが、2017年度からは香港の人々による一人一票の投票で選ぶ「普通選挙」が導入される予定でした。
（※委員会は述べ1,200人の北京派議員と財界指導者で構成されている）

そんななか2014年8月末に中国側が選挙制度の改革案を示してきたのですが、その内容を要約すると「事前に2.3人まで候補者を絞り込んでおき、選挙ではその中から次期長官を選ぶ」というものだったのです。

これでは今までと何も変わりません。中国に恩義を感じている中国に有利な人物が香港のトップとなってしまうと、高度な自治が認められているのにも関わらず香港は中国政府の影響を強く受けてしまうでしょう。

そのような背景から民主化を求める人々が街頭や道路に集まって交通機関をストップさせたり政府ビルに突入したりといったデモ行動を起こしているのです。

これは香港だけの問題ではありません。抗議デモが金融市場に与える影響は大きく、世界中のトレーダーが注意深く動向を見守っています。

香港の抗議デモが経済にどう影響するのか

香港は世界十大金融センターの中でも第3位の巨大金融市場です。アジアの金融ハブとしての地位を確立していましたが、民主化抗議デモにより観光客の減少や金融センターとしての機能に支障が出ればその地位は危うくなるかもしれません。

9月30日のNY株式市場（ダウ）が取引序盤に41ドルも大幅下落、金へのリスク逃避買いなど既にその影響は見られており、デモ活動が長引けば長引くほど香港だけでなく世界経済に対してもリスクが大きくなる可能性があります。

バイナリーオプション攻略のワンポイントアドバイス

まず日米の金融政策の差は歴然なのでドル高円安の傾向は続くと予想できます。それに加えて香港のデモ活動により安全資産としてのドル買い傾向は強まっているので、ドル円相場では急激なドル高に警戒する必要があります。

急激なドル高がおこるとリスクオフから円の買い戻しがおこる可能性もあります。テクニカル分析で相場の動向を分析しながら取引しましょう。
（※リスクオフとは？⇒リスクを回避してより安全な資産に資金が向かう状況を表す。）

【関連記事】
・今日のドル円相場の攻略と香港の民主化抗議運動による影響